仏像にはさまざまな種類があります。
今、手を合わせて拝んでいるのは、どなた?
「仏さまの違いがよくわからない・・・」と感じている方も多いはずです。
私もそうでした。
仏像は大きく分けて4種類です。
えらい順にランキングすると、1位は如来。つづいて菩薩、明王、天になります。
今回は仏さまの世界でランク第2位の「菩薩」をご紹介します。
菩薩にも種類がありますよ。
特徴や持ち物なども違います。
十二支の干支によって守ってもらえる仏さまがあります。
見分けるポイントなどを詳しく解説していきます。
菩薩の種類とは、菩薩は如来ランクの修行中
「菩薩(ぼさつ)」とは、如来になるために一生懸命に修行をしている姿をあらわす仏さまです。
菩薩の正式名称:菩提薩埵 (ぼだいさった)
菩薩の意味 :悟りを求めるもの
仏教のなかでは、悟りをひらく前の存在として、如来の次に高い位にあります。
菩薩は、お釈迦さまがまだ悟りをひらく前、お城の王子さまであったころの姿がモデルとされています。
菩薩はただいま修行中!
どうすれば悟りを開けるのか?と考えながら、修行をしています。
「悟り(さとり)」とは
すべてのモノやコトを正しく理解できる力を持っていて、悩む必要がなくなったような状態のこと。
真理(本当のこと)をすべて理解しているので、迷いがありません。
「菩薩」の役割
如来になるために修行しつつ、人々を救ってくださる仏さまです。
菩薩はそれぞれ、選手宣誓(せんしゅせんせい)のような誓いを立てながら修行をしているそうですよ。
「宣誓!ぼくたちわたし達は~、◯◯の悩みを解決したい!◯◯を成しとげます!」
高校球児が緊張しながら宣誓している姿は「青春」
菩薩が、お釈迦さまの青春時代なのかな~と思え、ちょっと可愛くて親近感がわきました。
菩薩の種類は大勢です
「菩薩」には、多数の種類があります。
かなりたくさんいらっしゃるので、よく見かける四つの「菩薩」についてご説明します。
観音(観世音)菩薩(かんのん(かんぜおん)ぼさつ)
弥勒菩薩(みろくぼさつ)
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
観音(観世音)菩薩(かんのん(かんぜおん)ぼさつ)
「観音菩薩(かんのんぼさつ)」
「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」とも呼ばれます。
私は観音様(かんのんさま)という方がなじみがあります。
人々の苦しみの声を聴いて救ってくれる仏で、広く信仰される仏です。
我が家では、毎月18日は観音様の日として、観音様の掛け軸を床の間に飾り、お参りしています。
※仏さまの日:仏さまによって決まっています。また別の機会に書きますね。
ポイント
ちょっと複雑ですが、観音さまの基本のすがたは、聖観音(せいかんのん)。
救う相手によって姿かたちを変える仏さまです。
千手観音、十一面観音、如意輪観音、馬頭観音、など
※詳しくは、別の機会に・・・。
京都・三十三間堂の千手観音、こちらは見ごたえ十分ですね。
弥勒菩薩(みろくぼさつ)
「弥勒菩薩(みろくぼさつ)」は、お釈迦さまの後継者的な存在の仏です。
お釈迦さまが亡くなったあと、56億7000万年後に如来としてこの世に現れることが約束されている菩薩です。現在は、「兜率天(とそつてん)」という仏さまの世界もこの世に一番近い浄土で修業中の仏さまです。
ポイント
弥勒菩薩は如来をめざして修行中であるため、「物思いにふける姿」で表現されます。
坐像で、頬に手を当てて考えている姿の像が一般的です。
京都・広隆寺(こうりゅうじ)の「弥勒半跏思惟像(みろくはんかしゆいぞう)」
「日本一うつくしい仏像」として有名ですね。
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
お釈迦さまが亡くなったあと、56億7千万年後に弥勒菩薩がこの世に現れるまで人々を救仏とされています。
私たちの世界を守り続けてくださる重要な仏さま、路傍に立って子どもを守る仏として身近な仏像ですね。
ポイント
まるい坊主あたま。
豪華な装飾品はほとんどなく、代わりに「錫杖(しゃくじょう)」と「宝珠(ほうじゅ)」を持っています。
文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
「三人寄れば文殊の智恵」といわれるように、優れた智恵を持つ仏さまとして知られています。
ポイント
お寺での祀られまたは、いろいろあります。5人チームの時はリーダー。トリオの時はお釈迦さまをお守りします。ひとりの時は目の前の人に応じてくださいます。
獅子に乗り、蓮華の台座に座った姿であらわされます。
菩薩の種類にみる菩薩の特徴
超人的な姿
菩薩は、その美しさから、女性?と思われる方もいらっしゃいますが、女性ではありません。
では男性? 答えは「No」です。
中性でもないようです。
観音様のような「仏」「菩薩」は、善でも悪でも、男でも女でもないとされていて、性に関しては私たちの想像をはるかに超えた存在とされているようです。
そのほか、多くの顔や多くの腕をもつ超人間的な姿で表現される像が多いことも特徴ですね。
十一面観音や千手観音など。
多くの目で私たちを見つめ、多くの手で私たちを救ってくださる不思議だけど美しく見えるのは私だけではないはず。
衣服
上半身は左肩から右側の腰にかけて,薄い帯状の条帛(じょうはく)という布がかけられています。また両肩から,細長い天衣(てんね)が軽やかにたらされています。
下半身にはロングスカートのような裳(も)をつけていらっしゃいます。
布が流れるように表現されていますよね。
洗練された美しさが表現されていると思います。
飾り
菩薩は、お釈迦さまが出家される前の王子様のお姿がもとになっています。
インドの王侯貴族の衣装をもとにしているので、菩薩は様々な装飾品を身につけています。
胸には何重ものネックレス、手首にブレスレット、足首にアンクレット、耳にはイアリングなど、菩薩は豪華な宝飾が目印ですね。
足元
蓮華座(れんげざ)仏さまの足下の蓮(はす)は聖なる存在であることを示します。
菩薩の種類、干支でわかる守護仏
守護仏、守り本尊とは
「守り本尊」とは、一生を守り続けてくれる仏様のことをいいます。
生まれた干支で守り本尊さまが決まってきます。
自分が生まれた年の干支分かりますか?
調べてみてくださいね。
また、守り本尊様が祀(まつ)られているお寺にお参りすると良いと言われています。
きっとご利益を頂けますし、守ってくださいますよ!
なかなかお参りに行けない人は、守り本尊様のお守りやグッズを身につけたり家に置いておくのも良いと言われています。
守り本尊は8尊です。
(尊は仏様の数え方です。)
干支 | 守り本尊 | ご利益 |
子 | 千手観音菩薩 | 千の手と目で全ての人の願い事をもらすことなく見れる。 |
丑、寅 | 虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ) | 限りないご利益を授けてくれる。記憶力も授けてくれる。 |
卯 | 文殊菩薩(もんじゅぼさつ) | 全てを正しく見極める力で信仰する人々を救ってくれる。 |
辰、巳 | 普賢菩薩(ふげんぼさつ) | どんな時も、どんな場所でも現れ仏の知恵で救済してくれる。 |
午 | 勢至菩薩(せいしぼさつ) | 仏の知恵で人々の苦しみを救い、悟りへと導いてくれる。 |
未、申 | 大日如来 | 知恵の光でこの世を照らし、あらゆる願いに答えてくれる。 |
酉 | 不動明王 | 仏の教えを守らない人をさとす。教えを守る人には救いの手を差し伸べてくれる。 |
戌、亥 | 阿弥陀如来 | 「南無阿弥陀仏」と唱える人は必ず極楽浄土につれていってくれる。 |
まとめ
菩薩像は悟りを開くために修行中のお釈迦さまの姿がモデルになっています。
仏さまの世界にはたくさんの種類の菩薩がいらっしゃいます。
数百、数千もの仏さまがいらっしゃるそうですよ。
ぜひ、仏さまに会いに行って、たしかめてみてくださいね。
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