勝興寺(富山県高岡市) 国宝に指定へ 文化審が答申

お寺

勝興寺(しょうこうじ)は、富山県高岡市にある浄土真宗の寺院です。
このたび、「本堂」など2棟が新たに国宝に指定されることになりました。
富山県内の建造物が国宝に指定されるのは、平成9年に指定された高岡市の瑞龍寺(ずいりゅうじ)に続いて25年ぶり、2例目です。
早速、勝興寺の魅力をご紹介します。



勝興寺 国宝へ!

令和4年10月12日に文化審議会が、勝興寺の「本堂」「大広間および式台」を国宝に指定するよう文部科学大臣に答申しました。
勝興寺の2棟は年内にも答申通りに国宝として告示されます。
国宝は、重要文化財のうち特に文化史的価値の高い建築や美術工芸品が選ばれています。
国の宝。
先人たちの偉大な功績の賜物ですね!

国宝に指定される理由
勝興寺本堂は、近世の大型真宗本堂として屈指の規模を持ち、江戸後期以降の我が国を代表する大型寺院本堂の一つである。大広間および式台は、浄土真宗の対面所の初期形式から、入側(いりかわ)を取込んで発展した、対面所の整備過程を体現する建物であり、歴史的価値は極めて高い。
※入側:座敷と濡れ縁との間の細長い通路。畳を敷いたものを縁座敷という。本堂、対面所を完備した、本山級に準じる連枝(れんし)、別院格の寺院としては破格の規模、形式を誇り、全国的にみても大型真宗寺院の典型となる。また勝興寺は、近世以降、加賀藩前田家の庇護(ひご)のもと、本願寺との関係を深めた。
我が国の社会に大きな影響を及ぼした浄土真宗が、畿内から北陸へ教線を拡大する中、地域の拠点となった宗教施設として、格式高い本堂、対面所をこの地に成立させたことは、深い文化史的意義を有している。

国宝 勝興寺とは

勝興寺(しょうこうじ)は、富山県高岡市伏木古国府にある浄土真宗本願寺派のお寺です。
現在、12棟が国の重要文化財に指定されています。
また、それらを含む多くの文化財を有することで知られ、地元の人からは「ふるこはん」の愛称で親しまれています。
県内外からの参拝者も多く、いつ訪れても見ごたえのある立派なお寺です。

2015年(平成27年)4月24日、「加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡-人、技、心-」の構成文化財として日本遺産に認定されています。



勝興寺の歴史

勝興寺は浄土真宗本願寺派のお寺です。
真宗の 「中興(ちゅうこう)の祖」 と言われる本願寺8代門主の蓮如(れんにょ)が、 1471 (文明3) 年に現在の南砺市土山(福光)の地に開き、 1584 (天正12)年に現在の地に移りました。

敷地は土塁・空濠で囲まれており、越中の国府跡という伝承があります。
境内は東を正面とし、総門、唐門を入った敷地南寄りに大規模な本堂が建ち、北寄りには大広間、書院、台所など寺僧の居住・接客用の建物群が軒を列ねます。
近世建立の堂舎群がまとまって残り、近世寺院の景観を残す点に価値が認められています。
戦国時代は越中一向一揆の拠点で、各地の戦国大名と盟約を結び、越中の門徒衆を率いて動乱に加わりました。
浄土真宗が北陸で信仰を拡大する過程で拠点施設となったという文化史的意義も、今回の国宝指定理由の一つとなっているそうです。

今回、国宝に指定される建物
大広間
本山の本願寺12世の六男で勝興寺に入った良昌と、嫁入りした加賀藩三代藩主前田利常の幼女、鶴のために建てられました。

本堂
6代藩主の吉徳の十男が勝興寺の住職となったが、還俗して11代藩主となったことから、11代藩主治脩(はるなが)となったことから、藩が建立資金を提供。
本山の呼びかけで門徒も寄進しました。

国宝に向けて学術調査を担った東京芸術大学の光井渉教授は、本堂の特徴として「本山に匹敵する巨大な規模」と「越中の門徒が材料を調達し、総がかりでつくり上げたこと」の2点を挙げ、「規模が大きく権威的だが、同時に庶民性もある」と言っています。

大広間・式台は「浄土真宗の寺で対面所の一番初期の「形を残す唯一の遺構」と評価しています。

答申の背景にあるのは景観も素晴らしかったことが言われているようです。「12棟もの重要文化財が並び、現代的な建物が一切見当たらない。江戸後期の風景そのものを見せている。全国でもすごく珍しい」と語られています。

今後は国宝としてますます注目が集まりますね。



勝興寺 平成の大修理

勝興寺は平成の大修理を行い、今によみがえっています。
1998年(平成10年)より国の補助を受け、江戸時代の姿をよみがえらせるために大規模な修理が行われました。
痛みのひどい箇所は半解体修理を行うなど、大変に長い年月をかけた復元保存修理でした。
第1期に当たる本堂の修理が2004年(平成16年)に完了し、2005年(平成17年)以降第2期工事に着手。
2020年(令和2年)1月に総門を残しほぼ完了し、同年7月20日の総門の修理完了によって20年以上にわたった工事がすべて完了しました。

その後、境内の景観整備などを進め、2021年(令和3年)3月末に完成。
20年以上にも及んだ工事がようやく終了しました。

同年4月9日より完成イベント、4月11日に竣工式が行われました。

完工を記念し、同年1月に第45期棋聖戦挑戦手合七番勝負第二局が開催され、井山裕太棋聖が勝利しています。



勝興寺の駐車場、御朱印、拝観時間や料金、アクセスのご案内

勝興寺には駐車場が完備されていないようです。
JR伏木駅前観光駐車場を利用してください。勝興寺までは歩いても5分程度なので、
あっという間に到着します。

雲龍山勝興寺(重要文化財)
・住所 〒933-0112 富山県高岡市伏木古国府17-1
・電話番号 0766-44-0037
・参拝時間 9:00~16:00(入場は15:30まで)
・休業日 無休
・拝観料:工事協力金として 大人500円 小人(中学生以下)無料
ガイドを希望されるグループ・団体の皆様は、3日前までにご連絡してください。
・御朱印:頂けます

□アクセス
■JR氷見線伏木駅から徒歩5分
北陸新幹線 新高岡駅より城端線 高岡駅下車>氷見線乗換>伏木駅下車
■能越自動車道高岡北ICから車で約15分
■駐車場 JR伏木駅前観光駐車場を利用してください。(勝興寺まで徒歩5分)



まとめ

勝興寺をご紹介しました。
歴史的価値のある国の宝としてこれからも長く信仰の拠点となるのでしょうね。

もうすでに、国宝フィーバーは始まっているようです。
拝観する人がとても多くなっているとか。

お寺には七不思議の伝説もあります。
境内で探してみてはいかがでしょうか?
関連した記事を書いていますので、また参考にしてください。

是非、訪れてみてくださいね。

 

 



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