勝興寺 七不思議の寺、平成の大修理が完了、見どころ、駐車場など

お寺

雲龍山 勝興寺(うんりゅうざん しょうこうじ)は富山県高岡市伏木(ふしき)にある
浄土真宗本願寺派の寺院です。お寺には「七不思議」が言い伝えられています。
1998年(平成10年)から「平成の大修理」と言われる大規模な修理が行われ、
2020年(令和2年)に完了しました。お寺の歴史、駐車場なども併せてご紹介します。



勝興寺が国宝に!

令和4年10月12日に文化審議会が、勝興寺の「本堂」「大広間および式台」を国宝指定するよう文部科学大臣に答申しました。
勝興寺の2棟は年内にも答申通りに国宝として告示されます。

 

勝興寺の「七不思議」 本当に不思議

勝興寺(しょうこうじ)には昔から「七不思議」と呼ばれる言い伝えが残っています。
七不思議がいつごろ成立したのかははっきりしていません。
「実ならずの銀杏」「天から降ってきた石」「水の枯れない池」
「屋根を支える謎の生き物の彫刻」「魔除けの柱」「雲龍の硯」「三葉の松」
7つの不思議をご紹介します。

1、実ならずの銀杏
境内の前庭にある樹齢300年ほどの銀杏の木です。
この銀杏はある時から急に実がならなくなったそうです。
昔むかし、子供が銀杏の実を取ろうとして木に登り、そこから落ちて大怪我をしたり、
実の取り合いでけんかになったりして、ご住職が今後こんなことがないようにお経を唱えたところ、
翌年から一粒の実もつけなくなったといわれています。

2、天から降ってきた石
200年ほど前に国分(こくぶ)の浜に、天から落ちてきたと言われている石です。
夜になると波が当たって泣いているような音がするので、勝興寺の本堂前に置いたところ、
ピタリと音が止んだのだそうです。たたいてみると金属音のような音がします。
この石は安山岩(あんざんがん:サヌカイト)であるという説が有力とのことです。
火山岩なので隕石ではないようですが、なぜ天から降ってきたと言われているのか?
は不明のようです。

3、水の枯れない池
経堂(きょうどう)の西側に隣接して池があります。
勝興寺で火事があった時に、経堂の屋根に彫られた龍が、この池の水を口に含んで
火を消したと言われます。
それ以来この池の水はどんな干ばつの年でも決して干上がることがないそうです。

4、屋根を支える謎の生き物の彫刻
本堂大屋根の四隅を支える外側の柱の上にある猿の彫刻です。
そのうち後ろ側の2つが片手だといわれています。右手・頭・左肩で支えています。
長年「猿」であると言われてきましたが、近年になって裸にふんどしをつけた
「天邪鬼(あまのじゃく)」だと判明しました。
天邪鬼は人の言うことに反発したり、正反対のことをやるへそ曲がりなので、
建物の屋根を頑丈に支えてくれるらしいのです。
昔の人々の建物への願いがこもっているのですね。

5、魔除けの柱
本堂にある柱です。
本堂はほとんどがケヤキの木で作られていますが、1本だけが桜の木で、
しかも逆さまに取り付けられています。
逆柱(さかばしら)は日光東照宮の陽明門にも見られます。
不完全な部分をわざと作るという魔除けの一種のようです。

6、雲龍の硯
別名“墨が涸れない硯”ともいわれています。
これはかつて宝物収蔵庫に保管されていたため自由に見られませんでしたが、
現在は本堂に展示してあります。
本願寺八世、蓮如上人(れんにょしょうにん)の愛用の硯で、
上人が使われる時だけ自然と水が出たと伝えられています。

7、三葉の松
日本の在来種で葉を3枚つける珍しい松の木で、本堂北側の中庭にあります。
今ではなかなか見つけることができないそうですが、3枚葉を見つけると極楽往生できると
いわれています。
西洋松ならば3葉や5葉も珍しくないそうですが、在来種では珍しいのだそうです。
3枚葉を見つけたら幸せになれるというジンクス、四つ葉のクローバーみたいですね。


勝興寺 平成の大修理

勝興寺の建造物は、200年から300年の年月が経過しています。
損傷・破損も激しかったことから、平成の大修理として、1998年(平成10年)から
約23カ年計画で「江戸時代の姿をよみがえらせ後世へと受け継ぐ」
大規模な保存修理事業が行われていました。
長い年月をかけしゅうりや保全作業が進み、2020年(令和2年)7月20日、
総門の修理完了によって20年以上にわたった工事がすべて完了しました。
今後は境内の景観整備などを進め、2021年3月までに竣工式を行う予定です。
平成の大修理から令和のお披露目となるのですね。23年とは長いですが、
歴史的建造物を残すためには、大変なご苦労もあったことでしょう。
新しい勝興寺、期待が膨らみます。


勝興寺の見どころ 歴史があり国府が置かれた後の城郭寺院

勝興寺は戦国時代の1471年に創建された古刹です。
ご本尊は阿弥陀如来。

寺院としての歴史
本願寺八世 蓮如上人(れんにょしょうにん)が、
文明3年(1471年)越中の布教の拠点として営んだ土山坊を起源とします。
その後、戦国時代には、越中一向一揆の旗頭として活躍し、
戦国大名や、本願寺、京都公家などと関係を深めていくようになります。
藩政時代に入ると加賀藩前田家と関係を深めるようになり、
越中における浄土真宗の触頭として、近代に至るまで繁栄しました。
(一向一揆、戦国大名など、お寺とは無縁なように感じますが、日本史を復習してみます。)

古くは越中国府の所在地
約3万㎡の広大な境内には本堂をはじめとする12棟の建造物が並び、
国指定、県指定の重要文化財に指定され、地元の人からは「ふるこはん」の愛称で
親しまれています。
愛称の由来は、勝興寺のある地名「古国府(ふるこくふ)」が
「ふるこくふさん→ふるこふさん→ふるこはん」へと転訛したと伝っています。

2015年(平成27年)4月24日、
「加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡-人、技、心-」の構成文化財として
日本遺産に認定されました。

この境内地は、奈良時代には越中国府の所在地といわれ、
国守として万葉歌人大伴家持が5年間(746〜751年)この地に赴任し、
越中の自然と風土を詠み、多くの秀歌が万葉集に収載されています。
また、境内には万葉歌碑も建てられていて、「令和」を体感できる万葉スポットとしても
脚光を浴びています。
「令和」を身近に感じることができる・・・、嬉しいですね。

行事 デカローソクが灯される御満座法要(おまんざほうよう)
毎年1月15日〜16日に行われるのが、御満座法要(おまんざほうよう)です。
浄土真宗の開祖・親鸞聖人を偲ぶ法要です。
名物は、燭台と合わせると高さ3メートルにもなる特大ろうそく(デカローソク)。
デカローソク二本が本堂の左右に並ぶ中、参加者は親鸞聖人の遺徳を偲び、手を合わせます。
毎年のように地域ニュースや新聞で報道される行事ですが、
本当に大きな大きなローソクですよ。


勝興寺の駐車場、御朱印、拝観時間や料金、アクセスのご案内

勝興寺には駐車場が完備されていないようです。
JR伏木駅前観光駐車場を利用してください。勝興寺までは歩いても5分程度なので、
あっという間に到着します。

雲龍山勝興寺(重要文化財)
・住所 〒933-0112 富山県高岡市伏木古国府17-1
・電話番号 0766-44-0037
・参拝時間 9:00~16:00(入場は15:30まで)
・休業日 無休
・拝観料:工事協力金として 大人500円 小人(中学生以下)無料
ガイドを希望されるグループ・団体の皆様は、3日前までにご連絡してください。
・御朱印:頂けます

□アクセス
■JR氷見線伏木駅から徒歩5分
北陸新幹線 新高岡駅より城端線 高岡駅下車>氷見線乗換>伏木駅下車
■能越自動車道高岡北ICから車で約15分
■駐車場 JR伏木駅前観光駐車場を利用してください。(勝興寺まで徒歩5分)



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