仏像には種類があるの?見分け方と役割、如来・菩薩・明王・天を解説

仏さま

お寺にお参りに行き、仏さまに手を合わせると、心が洗われ元気になれますね。
私たちを守ってくださる仏さま。
そう、仏さま。
でも、
今、手を合わせて拝んでいるのは、どなた?

仏さまはたくさんいらっしゃいます。
お名前もいろいろあるな~。と思いませんか?
また、手のかたちや持っているものなどもさまざまですね。

ほんの少し仏さまの世界を知っていると、仏像を見るとき、もっと深く仏さまを感じられるかも・・・。

こまかく理解することは必要ありません。
最初は何とな~く仏さまの世界、仏像の種類や見分け方が理解できれば大丈夫。
基本から、Let’s Study!



仏像|種類と見分け方:まず、仏像って?

仏像とは、仏教を開いた仏(仏陀(ぶっだ))の姿を表現した像のことです。

〈ちょっと難しいけど〉
(ほとけ・ぶつ):正式には 仏陀(ぶっだ)
釈迦(しゃか):北インドで生まれ、歴史上に実在した仏陀、仏教の開いた人
(ほとけ)= 仏陀(ぶっだ)= 釈迦(しゃか)

◇仏教誕生のショートストーリー
釈迦は紀元前5世紀ごろインドに生まれ、苦しい修業を重ねて悟りを開き仏陀(ぶっだ)になりました。
仏陀(ぶっだ)とは、「真理に目覚めた者」「悟りを開いた者」と理解されています。

◇仏像誕生のストーリー
世界初の仏像は、紀元1世紀にインドでつくられた 釈迦如来像(しゃかにょうらいぞう)。
※ 如来(にょらい):仏の世界で最高位にある仏さまの尊称。

悟りを開き、仏教という形でその教えを広めたお釈迦様。
仏像はその信仰を深めるためにつくられました。
しかし仏像の制作は、お釈迦様が亡くなられから500年もあとのこと。
これはお釈迦様があまりにも偉大だったため、おそれ多くて像になどできなかった、と考えられています。
この500年の間は、お釈迦様の足をかたどった「仏足石(ぶっそくせき)」や「法輪」、釈迦誕生のシンボル「蓮の花」などを人々は崇めていました。
※法輪(ほうりん):仏教の教えを示す物。八方向に教えを広める車輪形の法具

日本に仏像や仏教文化が伝わったのは飛鳥時代までさかのぼります。

長野県・善光寺(ぜんこうじ)の「一光三尊阿弥陀如来像(いっこうさんぞんあみだにょらいぞう)」
奈良県・明日香寺(あすかでら)の「飛鳥仏像(あすかぶつぞう)」は、国内で最古の仏像として伝えられています。



仏像|種類と見分け方:仏像の種類は4種類

仏像の種類は
① 如来(にょらい)
② 菩薩(ぼさつ)
③ 天(てん)
④ 明王(みょうおう)

の4種類に大きく分けることができます。
(⑤その他もあります)

仏さま。
人間の社会と同じように、仏さまにも序列や役割があります。
いちばん尊いのは「如来」。
すでに悟りを開いています。

次は如来になるべく修行中の「菩薩」。
人々を救うために尽力します。

3番目は怖い表情をした「明王」。
正しい道に導くために私たちを叱咤してくれる仏さまです。

最後は「天」と呼ばれる、仏像界の守護神。
元々は古代インドのバラモン教やヒンズー教の神々です。

それぞれの仏さまには、姿形や表情、身に着ける衣や装飾品、手にする道具などに共通した特徴もありますので、いろいろと注目しながら仏像を拝見すると、楽しみ方が変わるかもしれませんよ。

如来(にょらい)

 

「真理に目覚めた者」「悟りを開いた者」という意味です。
悟りを得ているので、自分を飾りたいといった欲がなく、質素な衣を身にまとっています。

〈特徴〉
髪型
最大の特徴は「螺髪(らほつ)」というパンチパーマ風の髪型。
盛り上がった頭頂部は「肉髻(にっけい)」といい、深い知恵を表しています。

手のかたち
手のかたちや組み方を「印」といい、意志を表しています。
右手の「施無畏印(せむいいん)」で恐れを取り除き、左手の「与願印(よがんいん)」で願いを聞き入れてくださいます。

菩薩(ぼさつ)

悟りを得るために修行中。
たくさんの装飾品を身につけたり、女性のような姿をしていたり、頭上にたくさん顔があったり、手が千本だったり。
如来の意志に従ってさまざまな姿に変身し、あらゆる方法で人々を救済する菩薩は、如来に次ぐ存在です。

〈特徴〉
宝飾品の数々
インドの王侯貴族の衣装をもとにしていて、菩薩は様々な装飾品を身に付けています。
胸には何重ものネックレス、手首にブレスレット、足首にアンクレット、耳にはイアリングなど、菩薩は宝飾持ち。

天衣(てんね)
腰布を巻いて上半身にはショールのような「天衣」を身につけています。
衣の流れるような表現も見どころのひとつです。
お顔立ちがとても素敵!
美男美女が多いな~と、いつもほれぼれして拝んでいます。



明王(みょうおう)

 

大日如来が姿を変えて人々を救う仏さまです。

怒りの表情をして、武器やへびなどを持っているのは、やさしい心だけでは救えない人々を救済するためだとか。
姿は恐ろしくても人のために尽力しています。

時には厳しく正しい姿勢を見せなくてはいけない!
私たちの済む世界と同じですね。

〈特徴〉
宝剣(ほうけん):刀を持っています。

光背(こうはい)
背後には体から放たれる光明を表す光背も。仏像によってデザインが異なり、不動明王や四天王には炎を表す「火焰光」が。

天(てん)

 

天は、 仏教を守る神々のことです。

如来や菩薩のボディーガードの働きもされています。
仏教の信仰をさまたげるものから人々を守る役割がある仏です。

〈特徴〉
戟(げき):やりのような武具。

奈良・興福寺(こうふくじ)の阿修羅(あしゅら)さまも天の仏さまです。
有名ですね。
自然現象の「風神(ふうじん)」「雷神(らいじん)」なども「天」の仏さまです。
ほかには「四天王」「七福神」も「天」に含まれます。

「そのほか」の仏像

基本の仏像のほかにも、日本独自の仏像があります。

聖徳太子 像
「聖徳太子(しょうとくたいし)」は、日本で最初に仏教を理解して積極的に取り入れた人です。

幼い頃より知恵が深く仏法を理解したとして、「救世観世音菩薩(ぐぜかんぜおんぼさつ)」の生まれ変わりとして信仰されてきました。

仏像としては、幼児の姿である「二歳像」、耳のところで髪をまとめた姿の「七歳像」・「十六歳像」、束帯姿で手に笏(しゃく)を持っている「三十五歳像」などがあります。

祖師像
「祖師像(そしぞう)」とは、仏教で高いくらいにある僧侶の像です。
奈良・唐招提寺(とうしょうだいじ)の「鑑真和上像(がんじんわじょうぞう)」や、「空海(弘法大師)」「空也上人」などが祖師像の主なものです。



仏像|種類と見分け方:さっそく見比べてください

仏さまは、私たちを病気や災いから守ってくださいます。

持ち物やしぐさ、慈悲深い表情、手のかたち、全てに意味があり無駄がありません。
洗練された美しさは、ずーっと拝んでいられます。

これからは、仏さまの細かいところにも注目しながらお寺をお参りしてみてください。
どのような仏さまなのかな?

仏さまとの距離が、きっと近くなりますよ!



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